淘汰の国のアリス | ナノ

顔はアリスそっくりなのに、雰囲気は微妙に××××に似ていたのだから不気味にも思う
「私の名前はジョーカー。まあ…ローズマリーとは知り合いでもあるかな。」
「…ジョーカー…?」
聞き覚えのある声にセージは記憶の断片を探る。
「セージの上司がたまに口にしていた名前だよね。」
アルカネットが横から口を挟む。セージは唸った。
「ゔ〜む…言ってた言ってた。ことあるごとに××××さんが――…」
あれ?とセージが口許を押さえ首を傾げる。
「××××さん…、ん?××××!おい、この××××野郎!…あっれぇ?」
何やら誰か特定の人物の名前を言いたいだけのようだが、その名前らしき言葉だけミュートされて周りにも、自分にも聞こえない。口がぱくぱく動くだけだ。
「なんで?名前が言えないよ!」
「××××…本当だ、小生もだ。」
アルカネットもためしに言葉に出そうとするがやはり彼も無音だ。ジョーカーは気にもしなかった。
「××××経由でなくとも聞いているのは思うが…まあよい。そして、君達は自分達がなぜ突然体が消滅したかわかるかな?」
呼べない名前に苛立ちながらもセージは「さあ。」とのんびりと返す。勿論、アルカネットも首を横に振るのみ。

「トランプ兵にとって肉体の消滅が即ち死だってことは重々承知なはず。…だとしても、なぜ自分達が?何も起こっていないのに?さぞかし未練の残る最後だったろう!」
ジョーカーが両手を広げる。やはり、××××にしぐさも似ているとセージもアルカネットもひしひしと思った。



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -