淘汰の国のアリス | ナノ

ジョーカーは破顔一笑というか、さぞ今の状況を楽しんでいる風にも見えた。1度2度、手を鳴らしながら二人の方へ歩み寄る。

「この者達こそが客人だよ、ノア。」
彼のことばを聞けば、冷静さをすぐに取り戻しレイピアを自分の胸の、時計を模したブローチに収納した。ルジェもなんとか平静を装うも被害者であるためどこか腑に落ちない様だった。

「いやはや、私の従者の無礼を許してくれ。セージ、そしてアルカネット。ようこそ、最果ての館へ」
数メートルの間を開けて軽くお辞儀をした。しかし、セージはその彼の顔や仕種がどことなく「ある人物」にそっくりなので逆にとまどう。声と話口調こそは違うが、そんな着目点も気にならないぐらい酷似していた。

「えーっと、あの〜…アリス?どうしちゃったわけ?」
セージの問にはアルカネットも同意らしく深く頷く。ジョーカーは機嫌を損ねるわけでもなくただただ薄ら笑いを浮かべたままだ。
「おや、やはりここでは「君達のような者」でも私を認識できるようだ…いやいや、ちなみにアリスではない。私はかの女王と似たような者さ。」
それでも彼が何者か正体が掴めないあたり疑念は取れない。





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