淘汰の国のアリス | ナノ

二人は何が起きたかと同時に真上を見上げる。
「あらあら…何かしら?これ…」
穴は上にあるというのに深く暗くて終わりが見えない。ルジェが穴の奥に目を凝らそうとした時だった。

「………ぅぅぅうわああああああ!!?」
「きゃあああああぁ!!!」
その穴から二人の人間が落ちてきたのだ!落ちるスピードと加わる衝撃からはたいした高さから落下したとは思えない…わけがない。上から人が上に落ちただけで普通の人間にとってはかなりの衝撃なのだ。


「……………あいったたた…」
落ちた人物の一人は女の子みたいな顔をしたブロンドのやや癖っ毛のあるショートの少年。エプロンの上に赤いコートと同色のベレーが特徴的だ。一人は前がかりの紺色の髪の若いながら精悍な顔つきをした少年。こちらは白衣を着て頭には軍隊でよく見そうな長い帽子をかぶっていた。

「…うーん…なにぃ?なにが起こったの?アル…」
ブロンドの少年が頭を抱えてゆっくり体を起こす。
「……セージ、小生にもさっぱりだが…大丈夫か?」
「こっちの心配をしてくれませんこと!?」
アルと呼ばれた少年の地面から声がする。
「…あ。」
穴のちょうど下にいたルジェは逃げ切れず、落下してきた少年に端から見れば押し倒されているように見えたが実際は彼女は下敷きになっていたのだ。




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