淘汰の国のアリス | ナノ

なんというか、ルジェの周囲にだけ春が訪れた風に見えた。それもいつものことらしい、ジョーカーもノアも彼女の世界に触れようとはしない。
「なら行ってくればいいじゃないか。」
「えっ!?いいんですかっ!!?」
外の世界に焦がれる少女の瞳はこれほどなくキラキラ輝いていた。ジョーカーの雑な提案に本気で鵜呑みにした。
「この一仕事さえ終わればノアも連れて好きに遊んできたまえ。」
それを聞いたものだからルジェは「ありがとう!」と丁寧な口調を忘れノアの手をがっしりと握って恍惚とした顔で迫る。

「ノアちゃん…!一緒に…う、噂の遊園地って所に行きますわよ!!ジェットコースター…お化け屋敷にシメは観覧車…!」
「あ…あぁ、うん… 。そう、だな。」
迫真と近寄ってこられ少々引き気味のノアと、そんな二人を見て「君達実はそういう仲なんじゃないのか?」と話題を吹っ掛けたジョーカーは口に漏らした。興味もなかった。

「ん…もうそろそろかな…」
なにやら意味深なことを小声にする主人は視界にもないメイド二人の頭上にぐわんと重々しい音ともに謎の半径2メートル程の穴が突如姿を現した。



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