淘汰の国のアリス | ナノ

――……――

「シフォン…!」
例のお茶会の場所、何事もなかったかのように、少しだけ折れ曲がったステッキを手にしてゆっくりのした足取りで戻ってきた。それをすぐに察知したレイチェルが見慣れた白いテーブルに退屈そうに突っ伏していた体を跳ね起こした。その衝撃で同じく向かいの席でうたた寝をしていたフランネルが細い目をて両手で擦る。

「ただいま」
「おかえり!…あ、そうか…帰っちまったのか…」
シフォンの隣に目をやった。そう、アリスはもうこの国にはいない。そうとわかって長い耳がしょげるように垂れ下がったやすぐにぴんと真上に上がる。
「…ま、無事に帰れてよかったぜ!なあ?」
「ええ、まあ…」
心の底から満足そうなレイチェルに対し(まだ眠気が拭いきれず)適当に返した。

「君達。突然だが…お茶会は今日をもってお開きだ。」

レイチェルは笑顔のまましばらくの間固まったがすぐに動揺の色を顔に浮かべて立ち上がる。
「…おい、ほんとに突然、なんだよ。」
一方、シフォンはやけに平然としていた。
「アリスが決まったとなれば僕達の役目は果たしたも同じ。もうこのお茶会も必要ない…あっさり決めるようで悪いが、君達は今日から自由に過ごしてくれたまえ」




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