淘汰の国のアリス | ナノ

「…みんな、ありがとう。」
アリスがそう口に漏らした瞬間、ジョーカーが咄嗟に針を見ては焦燥する。
「…なっ、何をもたもたしている!急げ!」

―あーあ…最後はみんなの笑顔で見送られたかったんだけどなあ―

―ま、いっか―

そんな呑気なことを考えてしまうアリスは思わずクスッと笑ってしまう。でも構わない。それでもこれは「最高のお別れ」となったのは確かだから。

物語は無事ハッピーエンド。エピローグは無限に未来となって続くのだ。


時間は6時!猶予の刻!アリスは今までで自分の中での一番の、そのまんまの笑顔で別れの直前に言った。



「また会いましょう。それまで、さよなら」


見送る彼らの笑顔をしっかりと目に、記憶に鮮明に焼き付けたらアリスは背中を向けて、6時半を指す頃に思いきって飛び込み足を投げ出し、その体は吸い込まれるようにして次元の境目に落ちていった。











―――――――…





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