淘汰の国のアリス | ナノ

アリスとそっくりなブロンドのゆるいウェーブがかっロングヘアー。明るい紫色のシルクハットと同じ色のケープは床に少し垂れていた。

シフォンがアリスから手を離し一歩彼女の前へ出た。

「…珍しくすぐに入れてくれたね。ジョーカー」
シフォンはニヒルな笑みを浮かべる。ジョーカーと呼ばれた人物は少年のような声で
「挨拶ぐらいしたらどうだね。シフォン・ベルガモット」
こう言いながら振り向いた。

「……………ッ!」

彼がこちらに姿を見せた瞬間、アリスは反射的に口を塞いだ。目を見開く。小さな瞳孔にとらえた姿はまさに衝撃そのものだった。

「おやおや?」
帽子は装飾で鳩時計にあるみたいな扉がついていたり歯車をモチーフにした模様がプリントしてある。それどころではない。なんと、服装以外はアリスと全く瓜二つだったからだ!
「これはこれはアリス・プレザンス・リデルではないか。会うのを今か今かと楽しみにしていた!」
「ひゃあ!?」
ジョーカーはシフォンの隣を通りすぎて足早に距離を詰めればアリスに迷いなく抱き締めた。
「どうだいアリス、淘汰の国は!自分の顔が自分の意思や感情とはまったく別の表情をしている様は!」
「え、あ、ちょっ!?」
一度にそう早口に喋られても今のアリスの頭はパニックで耳かが彼の話を「限界です!」と通せんぼしようとしているところだった。



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