淘汰の国のアリス | ナノ

にわかに彼の言っている意味が理解できなかった。
「どういうこと?…あれ?」
ベッドから足を伸ばし、下に丁寧に揃えてあった革靴に爪先を入れる。踵まではいれば軋む音を上げる木の板で出来た床。立ち上がりシーツのシワを伸ばす時に謎の違和感を覚えた。

「服が…汚れていない?」
様々な血が混ざって染み付いていた生々しい紅い模様はなく、エプロンドレスは驚きの白さだ。シフォンはといえば、なぜか壁にかけてあった時計の針を強引にいじっていた。
「よし。これでいいかな」
その時計が無理矢理指した時間は…

6:00

「さあ、アリス。心の準備はできたかい?」
アリスもただから返事をするしかない。
「ええ…」
今は彼に全てを委ねるしかないのだ。
「…じゃあ行こう。君の時間を取り戻しに」
シフォンがアリスを背に、なんのへんてつもないただの壁を睨み、そして杖を真下からまっすぐ高らかに振り上げた。

「―…はぐれものの道化―…または世界の創造者よ―…憐れな駒を貴方の―元へ―通したまえー…!」
呪文のように、言い切ると同時にその杖も斜め下へ力強降り下ろした。





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