淘汰の国のアリス | ナノ

「僕の考えるには、現実世界での君は死んだことになり、この国に入った瞬間分身してなんらかのタイミングで魂が新しい個体に移った…といったとこだが…」
アリスには何が何だかさっぱり理解不能だった。そう、あまりに「現実」「離れ」しすぎて。
「………なんにせよ、こんなの誰かが故意にやったとしか思えない。」
アリスの表情が曇る
「…一体、誰が…」
もしかしたらこの国で、自分と会ったことのある人の中にいるかもしれない。信じたくなかった。何が目的でアリスの魂を物語に閉じ込めたというのだ。

「残念ながらわからない。…それはわからないが。アリス…君にああ言い切った僕にも責任があるんだ。」
黙って聞いていたアリスも口を開く。
「あなたに…責任?」
「それにだ。物語と同じように進んではいけないのだよ」

シフォンは相変わらず意味深な言葉だけを残してベッドから腰を上げる。微妙に傾いたリボンを直し、机に立て掛けてあった杖を手に取った。
「帽子屋さん?どこへ行くの?」
身ごしらえをしたシフォンが自信に満ちた笑みで
「今からとある人物に会って、時間を君が落ちる寸前まで戻してもらうのさ。」
とだけ言ってアリスに手を差し述べた。




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