淘汰の国のアリス | ナノ

机は使い古しだ。その周りには文具や沢山の本、裁縫道具がぶちまけてあったりと数々の小物が散らかっていた。照明の灯りはついていたらしいが窓から射す外からの光に掻き消されて意味のないものになりかけている。他にも部屋は、クローゼットらしき棚から服がはみだしていたり、部屋自体が散乱としていた。
「僕の家だ」
「へぇ〜、帽子屋さんの家って随分……えぇ!!?」
まさかだった。アリスの反応にはさほど違和感を覚えなかったがシフォンはどこか膨れっ面だ。
「なんで私が…あなたのお家に…」
「僕の家が随分…なんだって?」
軽くて睨んでくるからきっと自覚はしているのだ。
「なんでもないわ…」
アリスはなんとか作り笑いを浮かべる。随分汚いのね!とは言えるはずがない。




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