淘汰の国のアリス | ナノ


アリスは立ち上がり、血液にまみれた銃を手に取り力一杯斜め下に振った。赤い血潮を飛び散らせながら使えない玩具はローズマリーがいつか持っていた等身大の黄金の鎌に姿を変えたのだ。

「…なぜ、アリスが…?」
シフォンがその光景を遠目に見ていて疑問の声をもらす。だがローズマリーはそんなことはどうでもよかった。血に濡れた手で滑らぬよう力をこめてしっかり握るって、一歩ずつゆっくり近づいた。
「女王様…」
アリスの呼び掛けに顔をあげる。見下ろすその表情は逆光で暗いトーンを帯びて鮮明に伺えない。
「……ようやく楽になれるのだろう」
きっと誰も気づいてない。今のアリスがアリスであってアリスでないことを。

「…生まれ変わったら…また私と遊んでね」
そう言いながら、アリスはおもいっきり鎌を振り上げた。心なしか、笑っていた。それはアリスもだがローズマリーもだ。
「…そうだな」

そして、残酷な刃は最後、何人もの身と頭を断ち切ってきた彼女の頚部を

「最高のゲームを用意していようぞ」

綺麗にはねて、優しい笑顔は地面に転がり落ちた。








「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -