淘汰の国のアリス | ナノ

「……フラン、まだもたないか…?」
「…気分悪い」
シフォンとフランネルの会話がアリスの耳に入る。きっと城にいる全員を足止めしているんだ。これのために!

「……でも…出来ないよ!こんな…こんなの!!」
誰かにすがりたい、どうにかしてほしいと無謀にも強く強く願った。知っているんだ。時間は誰も救ってくれないことなんて!

―……だっさ。―

アリスの脳内に、思考を邪魔して「あの声」が占領してきた。
―生きることが幸せで死ぬことが不幸とは限らないのよ?―
「でも死んじゃったら…」
―生きてたってどうせすぐに殺されるわ。それぐらいわかるでしょう?―
13番目がアリスを説き伏せようと語りかける。勿論、アリスがローズマリーの日頃の所業などを垣間見ていたら納得せざるを得ない。だがわずかな理性が抗う。
「だからって…」
―だからって、なぁに?―
小馬鹿にしたような笑みが頭をくすぐる。
―こいつはあんたに殺されるのを待ってるのよ?早く楽にしてほしいって言ってるのよ?死以外で救う術はないのよ!?―

「………………」
いくら言っても彼女は拒み続けた。そして苛立ちを覚えた13番目が、固まったままのアリスにしびれを切らし、ついに彼女は魂をもって「動き出すことを」決めた。






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