淘汰の国のアリス | ナノ

「確か三日前ぐらい前でしょうか…僕は3人から暴行を受けていました。…主な場所は地下牢、隙を見るどころか今日は僕の時計に細工までしたんです…!」
傍観席からは「信じられない」や「マジかよ」などの疑いの声が口々にあちらこちらから聞こえてくる。
「まあ…なんてこと!!」
「………だから、あんなに?」
アリスはひどく憤慨し、フランネルは隣で何かを思い出していた。
「許せねえな。」
そう吐き捨てたのは意外にもレイチェルだった。
「三月さん?」
不思議に思いつい訊ねる。意味を汲み取ってくれたみたいだ。
「ああ…確かにアイツは好かねえが俺は曲がった事の方が大嫌いだ。」
「…………」
言われてみれば彼はそんな人物だと改めてゲームの時を回想してみるもローズマリーの一声で辺りはしんとした静寂を戻す。

「嫌ではなかったのか?妾に言ってくれればすぐさま処刑したのじゃが…」
優しく感じる言葉はただの問いにすぎず。ピーターも感情を押し殺して答えた。
「…彼らは仕事の出来る人物で、特にごは五番は周囲の信頼もありました。ストレスも目に見えないだけで相当溜まってたはずです。だから…僕が耐えればいいんじゃないかって…判断しました。」
今度もまた何か騒ぎそうな予感がしたが誰もみな黙っていた。よほど信じていたのだろう。
「兎さん…」
ふと口から滑る。届いてたはずだ。聞かないふりをした。
「…ではなぜ、今回はそうしなかったのじゃ」
その瞬間だった。






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