淘汰の国のアリス | ナノ

「…ピーター様と3人の兵士が一緒に行動をしているのを偶然見つけて…随分と早すぎるし、どこに向かうのか気になって後をつけました。」

そこにいる傍観者は彼の次なる言い分を今か今かと待ち、更にその場の空間内のなんとも言えない緊張感と荘厳な雰囲気に慣れてない新入りは耐えられず、息も苦しそうに胸をおさえる。
アルカネットはまるで自分の事のように不安に思いジャックは自分の部下をじっと見ていた。セージは訴えるように言った。

「悪い事とは思ってたんです!後ろめたい気持ちはあったんですが…案の定、例の場所に着いたんです。」
「貴様は嘘を言ったておる」
周りがややざわついたが咎められるだろうとすぐに静かになる。今にも泣き出しそうなほど、絶望的な崩れた顔で見上げた。ローズマリーの助け船はない。公平は時には万人を守る術となるが今やここまで残酷な手段にもなりうるのだ。ローズマリーが続けた。
「本当に後ろめたい気持ちはあったのか?」
セージは驚きに目を丸くさせたが下を俯き小さな声で答える。
「…いいえ。興味本意です」
「ならよい」
それ以上を問い詰めることはなかった。セージも軽く肩の力を抜く。「続けよ」という声が上からかけられたのでそのつもりだったのか冷静さを微かに取り戻して引き続けて述べた。

「…もしかしたら何か用事じゃないかとしばらく
聞き耳で様子を伺いました。…しばらくすると、「痛い」、「やめて」などの声が聞こえてきてそのあと悲鳴が…ただ後ではないとボクは無理矢理中に…」
徐々に声が震えてくるように黙って聞いていたアリスは感じ取り、やはりセージは既に限界に近い状態に陥りかけていた。
「入って…そしたらもう…そこにいたのは…斧を片手に突っ立っていたピーター様と「3人の×××」が…あぁ…!?」
突然セージは口許を力ずくでおさえ踞り、慌ててアルカネットが彼の背中に手をあてる。

「女王陛下!お願いです…彼を…!」
必死に懇願する様を冷たい目で見下ろしながら
「証言は以上か?」
と問うとセージが涙目で強く頷いた。きっと現場がフラッシュバックしたのだ。アリスには想像出来ないぐらい生々しいものだったに違いない。後はショックからか急に気分が悪くなり吐き気が襲った
「アルカネット、貴様は医者ならそやつを頼んだ。退場を許す。」
案外容易にも許可を出されたことを安堵する余裕もなくひたすらむせるセージの体を肩で支えながらアルカネットは急いで裁判所を出ていった。






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