アリスはあの水色のエプロンドレスのイメージがあるらしい。実生活ではなんでも適当に着ているものだから固定されたイメージカラーなどなかたが、そう言えば目が青色だった。
「アリスには似合うよ…幸せの青色を…」
言葉も途切れ途切れで最後はまともに文が繋がらなかった。
「……兎さん?」
そうアリスが様子を伺おうとするも耳と頭だけでは、無理だ。
「…ま…った……この国を…わせに…て…」
「…………」
それ以降言葉が紡がれるのをしばし待ってみたが、後々続いたのはそんなものではなくて…静かな、小さな…寝息だった。
結局、何が言いたいか明確に伝えられぬまま一人お先に眠りに落ちてしまった。まだ意識はあるようだが呼吸も肩の上げ下げもとてもゆっくりで、意思をあらわにする長いうさぎの耳は力無く下がっている。もう大分前から相当の眠気がきていたのだろう。ちょっとつついただけではぴくりとも動かない。これをチャンスにぜひこのうさぎの耳を…と、伸ばす。
「…ん…っ…」
「……(!!?)」
指が毛先に触れただけなのだが、かすかに耳が跳ねると同時にアリスの心臓も跳ね上がりそうになり、しょうもない事で起こすのも申し訳ないので渋々諦めた。
「…びっくりしたあ。どれだけ敏感なのよ。」
そう不満をこぼすも聞いてるはずななく。参ったことにアリスの胴にしがみついたまま離れてくれないのだ。
「…弱ったなあ〜…」
身動きがとれないのは寝る時にはそこそこ困るもので。なんせ窮屈である。せめて動けないならもっと楽な体勢でありたかった。いろんな悔いがため息と弱音として溜まり体から吐き出される。
「…まあ、いっか…」
ベッドかがクッションのように体に負担をかけない柔らかいもので出来ているので疲労は特にかからなかったので、そのまま自分も同じように眠りにつくことにした。
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――――――………
幸せの青色が似合うアリス
じゃあ、私は…?
私ハ何ダトイウノ?
―――――――……
ね
ぇ
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