淘汰の国のアリス | ナノ

帽子を深く被った腕から下が梟の羽になった(もはやこの程度でも驚かなくなった)男性がコースのすぐ横でルールの説明をする。

「えー…初めての方もいるので説明します。まず始めに、皆さん好きな位置に立って下さい。そして最後に好きな時にゴールして下さい。皆さんがゴールしたら終了です。以上。」

皆さんは何回かやっているからか無駄に勝負吹っかけたりストレッチする者もいたが、ただ一人納得いかず抗議しようとする者がいた。
「おかしいわこんなの!」
アリスだった。
「好きな時にスタートやゴールしたらレースにならないじゃなむぉぐぐぐっ」

側に立っていたマーシュが慌ててアリスの口をふさぐ。梟の男性がじっと睨んだがすぐコースの方に目をやった。
「とりあえずそーゆーことになってんの!」
「…ん゙ーっ!!ん゙っー!!」
ズルズルとコースに引きずられるアリスを確認したら梟の男性もまた適当な位置に立ち、マーシュは男性からマイクとピストルを受け取って少し高い岩の上に座った。

「あーテステス…わかめわかめ………よし!皆さん準備できましたかー!?」
皆は一斉に拳をあげた。アリスも渋々手を挙げる。全員の確認が出来たところでピストルを持った右手を挙げて空いた手で耳を塞いだ。


「位置についてー…よーい………」

周りが一歩踏み出しザッという音がきこえる。アリスも何も考えずにレースに集中し走る構えをした。


パァンッ!!


ピストルの音とともに一斉に走り出した。ルールはともあれそこはちゃんとレースなので皆本気で走っている。アリスはアリスでかけっこで1番をとったことある程走るのには自信があるので既に何人かを抜かしていた。



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