淘汰の国のアリス | ナノ



しばらくたわいもない話で盛り上がりながら何もない道を歩いていた。
「…そうだ、もう少し歩いら広場に出るんだ。そこでコーカスレースてゲームをやってるんだけどアリスも一緒にどう?」
「コーカスレース?なんだか面白そうね!」
外で遊ぶことが大好きなアリスにとってこれほど興味あることはない。

「どんなレースなの?」
「まあ簡単に言ったら沢山の人が一気に走ってトップを競うんだけど、着いたら説明するよ。」
レースの内容もだが、沢山の人がいるってことの期待でいっぱいだった。





「お、言ってたそばから!…ほら、あそこあそこ!」
マーシュは前方を嬉しそうに指で差す。目と鼻の先には木々が円となり囲んだ広い道があった。そこにはレースのコースだと思われる線が何本か引かれている。その周りを数十人の人が円になって賑やかに談笑していた。

「まだ始まってないみたいだな。」
「ちょうどいいタイミングね!」

「お?……これはネズミの旦那じゃねーか!!」
と二人の姿を最初に見つけた誰かが「おーい!」と言いながらこちらに駆け寄ってくる。中年ぐらいでこちらは頭に何も生えていない。顔の横にはしっかり人の耳がついている。アリスは内心ホッとした。

「おうおっさん、まだ始まってないの?」
「なーに、これからやるところだよ」
と親しげに話す当たり仲が良いのか。会話している様子をじっと見つめた。向こうでは主にアリスの方を見てややざわつき、「不思議の国のアリス」というよそ者に好奇の目をむけている。動物の耳を生やしたのもいればそうでないのもいた。

「司会を今決めてたんだがな。皆やる気ねーし、いつのまにかおしゃべりに花が咲いちまってよお」
「あー…司会ねー…そりゃあ参ったな」
俺も嫌だしと何気に本音をこぼしつつ今度はこっちで話が盛り上がっている。すると中年の男性はアリスの方を見て「そうだ!」手をポンと叩いた。



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -