淘汰の国のアリス | ナノ


「でも…それとその「処女」って何か関係があるの?」
アリス自身今だにその言葉の意味がわからないままだった。ついでに意味も教えてくれるのでは…ともかすかに期待していた。
「そうですよ。彼女が女王になるのとどう関係があるんです?」
話はふりだしに戻った。
「この国では処女の女性の場合は女王を引き継ぐ事は出来ない。かわりに姫という身分を継ぐ事にはなる。…事前に聞いておいた方がスムーズに行くだろ?色々と」

エースの言う「色々」とは身分を継承するに必要な儀式云々なのかとアリスは予想した。結局処女の意味はわからず仕舞いだが彼が何が目的で尋ねに来たかがようやく理解でき、常に先を考える仕事熱心な性格だとここでは好印象を感じた。

「もーお女王が倒される事を考えてるんですかー?やだなー、チクっちゃいますよ?」
「ああ構わないさ。貴様と違って日頃の行いはいいからな」
「…つまんないですねぇ」
ジャックは口を尖らせる。いちいち余計に首を突っ込む所とか見れば日頃の行いは悪そうだ。

「ですが実の所、あんまり気にする事じゃないと思いますよ?」
「…と、いうと?」
エースも彼の言う言葉に疑問を浮かべる。

「多分エースって仕事以前に周りからの評判も気にしているのでしょう?アリスはあくまで「汚れのない純粋な少女」らしいですから。」
「…まあな。」
話のネタにされているアリス張本人は黙って二人の話を聞くしか出来なかった。
「ですが今の女王陛下ったら、結婚してや早速!愛するダーリンとまあなんと…!」
ジャックは随分ノリノリで一人楽しそうだ。なんなんだろう。人の恋愛事情とか噂話とか好きな近所の主婦みたいなイメージを重ねてしまった。

「…まあ、結ばれたらそうなるんじゃあ…」
対するエースはかなり鬱陶しそうだ。
「それからというものの月に何回も性懲りもなく…ベッドの上でも女王様と思いきや!!それがもうあんな女王陛下見た事ありません!!」
長い袖でバシバシ相手の肩を叩く。とりあえず、アリスは彼が何を言っているかさっぱりだった。





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