淘汰の国のアリス | ナノ


真っすぐ伸びる道の向こうで壁が無くなっている。つまりこれが意味するのはただ一つ。
「出口だ!!」
レイチェルは嬉しそうに彼方を指差した。向こうには行き止まりも何もない、茨が絡みついた白いアーチが出向かてくれている。アリスは表情を変えずに後ろから道を挟む両脇の壁を交互に睨んだ。

「…壁に何箇所かで途切れているわ。そこから敵が来るかもしれないから慎重に行くわよ。」
「ん?あ、ああ…」
確かに壁には同じ感覚で所々広い隙間がある。おそらくそこで敵が待ち伏せしているのかもしれない。ここで呑気に浮かれているわけにはいかない。アリスの言葉に気を引き締めた。

「よしっ、行くぞ!」
じりじりという足音が聞こえるのを耳を澄まし方向を探りながらゆっくり歩く。たかが数メートルだけで緊張感で息が詰まりそうだ。

「来るわ!」
合図とほぼ同時に最初の隙間から敵が数人挟み撃ちしてきた。だがそれを先に察知していたレイチェルはアリスの横に踏み込みお互いに近い方の敵を軽快に倒していった。
「…こいつらもそうかよ!」
攻撃を盾で防御されたが力を込めて二本目の剣で相手の首の付け根にそう叫びながら振り下ろした。派手な飛沫をあげる。金属の胸板が外れてトランプの模様が見えた。ハートの12だ。

「やっぱりこいつら…城にいた奴らじゃねえか!」
「だから何よ!まだ来るわよ!」
ゴールに近いだけあって狭い隙間から引っ切りなしに流れてくる。アリスは一気に敵の剣を弾きその反動で回転して数人を真っ二つに切り裂いた。

「こいつらといいアリスといい…何なんだよ!みんなどうしたんだよ!!」
レイチェルは我慢の限界だった。自分以外の違和感が当たり前になっているのが何よりも不安でそれは戦いを重ねるうちに苛立ちと焦りに変わっていった。



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