淘汰の国のアリス | ナノ

「んにしても、いきなりどうしちまったんだ?」
「どうもしないわよ。早く進んでちょうだい。」
あまりの変わりぶりにレイチェルは気が気でいられなかった。正直に言うとアリスが自らゲームに荷担してくれるならこれ程都合のいいことはない。でも急に物事が激変すればそこに潜む「嫌な予感」を疑うようになるのもおかしなことではない。

しかし、その「嫌な予感」はいわゆる直感的なもので具体的なものではない。つまり根拠がないのだ。もし今このままで何も問題が起こらないのであればペースを乱さずゲームに集中しようと余分な心配をしないことにした。

「さっきの気持ちがわかった気がするが…」
普段とはまるで別人な感覚。アリスに感じさせたそれを味わってみて初めてわかる感覚。恐怖感はないがそのかわり不安感が胸を圧迫する。

相変わらず懲りずに襲ってくる兵士達。倒していくのがもう完全に単純作業と化していた。
「アリス!一人でいける!」
「わかったわ!」
間合いが結構あったのでレイチェルはひとりでに斬りかかっていった。

「ぐぉあ゙っあああぁ!」
「チッ…ミスったか」
一発で仕留めるはずが相手が僅かに身体が傾いた為腕を真ん中で切断する形になってしまった。
「だから…ッ、だから嫌だったんだあああッ!」
悲痛に叫びながら片方の手で落ちた剣を拾い、痛みに堪えながら渾身の力を込めて振り下ろす。レイチェルはすかさず一本の剣で攻撃を受け止め、空いた腹部分をもう一本の剣で裂いた。

「あ゙…が…ッ」
兵士は力無く倒れた。鎧を接合していた紐が切れ、重い金属がばらばらになって転がり落ちる。下には城で最初見た時のトランプ模様の服を着ており鮮血で模様の区別がつかなくなっていた。





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