淘汰の国のアリス | ナノ

「…ど…どーてー?って何?」
「いいかいアリス。大人になってから自然に学ぶ事もある。今の内に知りたい事を全部知ってしまったらこの先がつまらなくなるぞ?」

シフォンの大人すぎる対応に「そうね!」と子供みたいに真剣な顔で頷くアリス。物分かりが良い、というより単に「楽しみが無くなる」のが嫌なだけにしか過ぎないのだが。

そんな二人を差し置いて向こうの二人…いや、二匹の口喧嘩はもはやただの罵りあいになっていた。

「女王様だ女王様だ…なんだ、アレか!夜は違う意味で女王様の下僕なんだろ!!」
「貴様こそ同じドジばかり踏んでお仕置き願望か!Mか?馬鹿か!?両方なのか!?」

「馬鹿じゃねえって何回言わせりゃあ気が済むんだ!Mってなんだよ!」
「やはり馬鹿じゃないか!きょうびそんなのも知らないとは…よし、僕が証明してやろうアイツの前でツラ貸せ!!」
「なんだか知らんがやなこった!!」

ますますヒートアップする喧嘩に圧倒されそうな反面、「これが動物の姿だったらよかったのに」とアリスの頭の中では白いさらさらの毛並みを持つウサギと茶色いもふもふの毛並みを持つウサギがパンチでつつきあったりする姿を重ねてみた。さっきの考えが無意識に言葉に出ていたらしく、シフォンが「つまんで燃やせるのにね」と真顔で返した。アリスは聞かないフリをした。こいつならマジでやりかねない。

獣の争いは留まることを知らず、またシフォンは自分に害がない限り全く止めに入ってくれない。嗚呼…レイチェルがたまたまポケットからフォーク取り出しピーターに向かって投げたものが物理法則を超えてたまたまシフォンの方に飛んできてくれないだろうか。アリスは高みの見物気取りのシフォンの帽子を念じるが如く睨んだ。





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