淘汰の国のアリス | ナノ

すると口数が少なかったフランネルは珍しくはっきりとしな声で誰かを特定せず問いを投げかけた。
「ヒラメとカレイの違いはなんだ」
今度は難しい単語ではないのでレイチェルは得意げで

「名前が違うだろ」
「そんなこと聞いてないだろ」
と言ったのにシフォンにばっさり切られる。アリスは苦笑いを浮かべながら特徴を思い出した。確かこの程度なら一般常識で知っている。
「目が体の左側がヒラメ、右側がカレイ」
「正解。」
レイチェルは「してやられた!」と悔しがり、フランネルは無表情でそう答えた後、また次の問いを投げた。

「夫婦と夫妻」
「う…うえぇ?」
一気にレベルが上がり、答える気のないシフォン以外は頭を悩ませた。これとばかりは非常に紛らわしい言葉である。むしろアリスはこれこそ全く同じ意味だと思って使っていたのだから。
「夫が婦人になって…夫が妻になるんだ!」
そう言うレイチェルももはや投げやりだ。だが言葉を分解してみればそうなるのもわからなくはない。そこでアリスはその答えの中でふと気になったことを呟いた。
「じゃあ公爵夫人は?」
対しフランネルはそれに基づいた新たな問いかけた。
「夫人と婦人」
自分で言ったことだからというがアリスの頭の中は夫婦に夫妻に夫人に婦人と四つの言葉がどれが同じでどれが違うかわけがわからなくなった。一方レイチェルは頭を抱え完全に混乱している。もしや言葉の意味すらわからないのだろう。

「あまりそいつをいじめないでやってくれ」
シフォンはその様を見兼ねて二人を我に返した。そうは言うがシフォンが一番説得力がない。明らかに相手を馬鹿にしているような目つきだ。





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