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この世に蔓延る悪霊や妖怪たちは、ときたま私の力を欲しがって襲い来る時がある。
力って言っても、何かを封印したり、そんな大それたものとかじゃない。ただ、家族の中で私が一番見る力が強い。それだけだ。
けれど、おばあちゃんは私のその見る力が悪いものを引き寄せていると言っていた。


「はぁッ…はぁッ…!」

「もうちょっとズラ!透、頑張るズラよ!!」

「う、うん…!」


現在、私はコマさんに引っ張られながらおおもり山の御神木に向かって爆走している。コマさんいわく、妖魔界に行けばあれは入ってこれないらしい。そして、妖魔界に行くにはおおもり山の御神木にあるエレベーターを動かさなければいけないらしい。
なんや、エレベーターって。


「御神木の場所はわかるズラね?おら、先に行って起動するズラから、透は頑張って辿りついてほしいズラ!」

「ッ…わ、わかった…!」

「絶対に、諦めちゃだめズラ!」


そう言ってコマさんは、一足際に御神木へと駆けて行った。振り返らなくてもわかる。あれはもうすぐそこまで追い付いている。
昔より成長したのか、追い付くスピードが速くなっていて、私のミジンコ並みの体力は限界に近づいてきていた


ようやくおおもり神社へ続く階段を登り切り、神社を横切って御神木の階段を駆け下りた。あとはこの神道を抜けるだけ…


「透ー!こっちズラー!」

「コマさん!…う、わぁッ!!」


コマさんと御神木が見えて、安心感から油断したのか足がもつれ、盛大に地面に体を打ち付けた。
そしてすぐに、首が締め付けられる圧迫感。


「ぐ、うぅ…」

「透!透に何するズラ!!」


『…おまえに、ようはない』

「うわぁあ!」


「こま、さッ…!」


コマさんを吹き飛ばしたそれは、さらに首に力を込める。ぎょろり、と動く目。大きく裂けた口。

あぁ、なにもかも昔と同じだ。


『ようやく、ちからが』

『ちゃんとした存在に』

『やっと、やっと』

『たべられる』

『たべないと』

『ちから』

『ほしい』

『ほしい』

『 ホ シ イ ナ 』


がぱり、と開かれた口に鋭い歯がずらりと並んでいる。

もう、だめや…


「ぉ、ろち…」


歪む視界の中、ここにはいないはずのオロチがかすかに見えた気がした。





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もう何書いてるのかわかんなくなってきた…
突然ですが、もうそろそろ最終回に近づいてきております←



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