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唇から伝染する





ただいま午後3時です。
今日はお母さんがブルマさんに用事があるとかで、私と悟飯は大人しく家でお留守番してます。お父さん?相変わらず修行しに山を走り回ってるよ。
悟飯はお母さんの言いつけ通り山のようなドリルを解いてるけど、あの子ほんとすごいよね。この前ルートの問題やってるのチラッと見てさ、手に持ってた本落っことしたことあるんだけど。4歳児が高校生の問題するんだよ?いっぺん脳みそ覗いてみたいんだけど。
まぁ、私だって解けないことはないよ?一応お姉ちゃんだし?大学生やってたし?お母さんの鬼畜なスパルタ教育受けてますけど?

……まぁ、それは置いといてと。
私は今ホットケーキ作ってます!なんか甘いもの食べたいなって思いまして。冷蔵庫に生クリームのパックもあったからクリームたっぷりかけちゃうもんね。


「よっと」


全身を使ってフライパンのホットケーキをひっくり返す。子供の力では重いよねこれ。今痛感したよ。
ほどよく狐色に焼けた生地をお皿にぽんぽん放り込んでいくと、気付いたら14枚くらいかさばっていた。私無意識にこんなに焼いてたのか。うわ、こっわ。


「おねぇちゃん、何してるの?」


ハンドミキサーでガシャガシャと生クリームを泡立ててると、悟飯がぽすっと後ろから抱きついてきた。今日も非常にぷりちーである。


「わッ、び、ビックリしたぁ…」

「ご、ごめんなさい…」

「違う違う、怒ってないよ!あ、そうだ。ねぇ、悟飯もホットケーキ一緒に食べる?」

「ホットケーキ?」

「うん。たくさん作ったからいっぱいあるよ。おやつにしようか」

「た、たべる!おねぇちゃんのホットケーキ!」


わーい!ととても素晴らしい笑顔を振り撒きながら再び私に抱きついてきた悟飯が超可愛いです。おっと鼻血鼻血…


「じゃあおねぇが用意してあげるから、悟飯は椅子に座って待っててね?」

「…ぼく、おねぇちゃんと一緒にいたい」


聞きましたか奥さん。お耳をダンボさんにして聞きましたか。この子はなんでこうさ、胸をズギャンッと撃ち抜くようなことを言うのかしら!!!
思わずハンドミキサーを放り出してひしっと悟飯を抱き締めた。あぁんもう可愛いよぉ。


「そう言ってくれて嬉しいよ悟飯ー!おねぇも悟飯と一緒にいたいけど、それじゃあ準備ができないからね、少しだけ待ってて。ね?」

「…わかった」


しょんぼり、と尻尾を垂れさせてテーブルに向かった悟飯に胸が締め付けられる思いだ。待っててね、速攻で終わらせていくからぁあ!!


手早く果物を切り分け、フォークとナイフ、お皿をそれぞれ持っていく。テーブルに並ぶたくさんのトッピングに悟飯はキラキラと目を輝かせた。


「はい、お待たせー!どれでも好きなように取っていいからね!」

「わぁ、す、すごい…!!いただきます!」

「どうぞどうぞ」


1枚目を生クリームをのせ、苺やミカンをたくさんのせた悟飯は一口食べた瞬間ふにゃりと、とろけそうな笑顔を浮かべた。ギャンワイイ。


「とぉってもおいしい!」

「本当?嬉しいなぁ!まだまだいっぱいあるからね」

「うん!」


小さくてもやっぱりお父さんの子だね。食べるわ食べるわ、2皿に山盛り焼いたホットケーキはあっという間に残り僅かとなった。リスみたく口いっぱいにホットケーキを詰め込んだ悟飯にぶはッと笑う。


「ご、悟飯…ぶふッ、口のまわりクリームだらけだよ…!」

「むごごご?」

「飲み込んでから喋りなさい」

「むぐむぐ…んく。え、どこどこ?」

「全部」


ごしごしと布巾で拭いてやる。全くもう可愛いんだからうちの弟は!だらしなく口元を緩ませて笑っていると、きょとん、と悟飯が私を見上げた。やべ、気持ち悪い顔してるのバレたのかな。おねぇちゃん顔きもいとか言われたらどうしよう。私きっと数日寝込むと思う。


「おねぇちゃんもクリームついてるよ?」

「え、嘘やんどこどこ?」

「ここ」


視界から急に悟飯が消えたと思ったら、ぷちゅ、と可愛らしいリップ音が聞こえて思わずフリーズした。口元ほんのちょっと隣の部分が温かい。
チューされたと理解した瞬間ぶわり、と顔面が燃え盛った。


「はむ」

「ひ、」


な  め  ら  れ  た  !!!
ちょ、何これ何これどうなってんの!?ごは、悟飯がほっぺチューしてきて、え!?可愛いけど!可愛いけども…!!!



「とれたよ、おねぇちゃん!」

「あぁ、うん…うん…よかったよかった…」


満面の笑みで見上げてくる悟飯に合わせてふりふりと尻尾が揺れる。
ごめん、私今君の顔直視できないわ。初体験過ぎてどう反応していいかわかんないもん!!






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