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旗のもとに集いし勇士



とにもかくにも、1番手はミスター・サタンに決まった。お父さんをバカにした言動は非常に気に入らないが、ぶっ飛ばしたいくらい腹立たしいが私だって(精神が)大人。ここはね、目を瞑ってやろうじゃないの。

……なんて、私もそう思った時があったんですよ。


「お待ちください、先生!!」


派手なヘリと音楽で登場した3人組になんだか私が恥ずかしくなった。こんなもの悟飯に見せたくない。目の毒だ。教育に悪いよ全く。


「また変なのが来たぜ…」


彼らはサタンの弟子だそうで、自称世界一の美形うんたらがカロニー、もう1人の体格のいい人がピロシキ、そして女の人はマネージャーのピーザという名前だそうで。くそ、揃いも揃っておいしそうな名前しやがって…
なんかカロニーが私に向かってウインクしながらバラ投げてきたんだけど、受け取った瞬間笑顔で握りつぶしてやったわ。カロニーの顔が思いっきり引き攣ってたけど知らねー。


「お姉ちゃんってばまたそんなことして。ほら手かして」

「はぁーい」


ごしごしと私の手をマントで拭く悟飯はなんだか機嫌が悪そう。眉間の皺がすごいよ弟よ。そんな悟飯にだけ聞こえるように、そっと耳元で呟いた。


「あんなんより、悟飯の方がずっとずっとかっこいいの知ってるからね。てゆーか、比べるなんて烏滸がましいくらいだよ」

「ッ!…うん…」


耳まで真っ赤にさせた悟飯は、心底嬉しそうに小さく頷いた。か、かわええ…
高速で頭をなでなでしましたけど何か。





サタンの弟子2人はあっという間にセルの気にふっ飛ばされ、あっさりと場外負け。てゆーか、メガトンクラッシャーだのローズビューティフルなんちゃらだの、隙まみれ長すぎて本当見てられなかったよ。それをトリックだのなんだののたまうサタンたち本当のアホだ。なんやねんピーマンて。そもそもピロシキの嫌いなものとか知らんわ。セルがそんな狡いマネするわけないのに。

そして次はサタンの番。ホイポイカプセルから出したトートバッグから15枚の瓦を積み重ね…あー、うん、ここまで言ったらわかるよね。それを手刀で割ろうとしたらしいんだけど、見事に1枚残りましてですね…。これはもう…


「アホやぁ…」

「右に同じ」


思わずクリリンさんと遠い目をした私たちであった。セルも私たちと似たような表情をしていたらしいと言うのは後ほどお父さんから聞いた。


「セル!この砕け散った瓦を見るがいい!これが1分後の……貴様の姿だ」


あー、うん…もう一度言うね。


「アホやぁ…」

「見てるこっちが恥ずかしいぜ…」


両手両膝を地面につけて項垂れる私とクリリンさんをお父さんが一生懸命に宥めてくれている。ごめんねお父さん、こんな時に。でもこればっかりは仕方ないと思うの。そんな私たちをよそにサタンとセルの(一方的な)戦いは始まるわけで。マネージャーのピーザさんがいろいろ解説してくれているんだけどね、サタンが何をしようとピクリともしないセルがおもしろくてですね。


「うるさいッ!!」

「あべしッ」


ついには片腕で振り払われてしまった。遠くの岩山に激突したサタンにぽかん、と呆けるサタン一味。あー、うん…ドンマイ☆心を強く持てば何とかなるよ多分きっと。不確定要素満載でけどなにか。


「…正直言ってさ、今俺ちょっとセルを応援しちゃったぜ」

「さすがのセルもあんなのを殺したくないみたい」

「2人とも…」

「チッ…生きていたか」

「ピッコロさんそんな鬼畜な…」


さらりとめっちゃ怖いこと言ったよこの人。あぁ恐ろしや。南無三南無三。
そうこうしている間に、しびれを切らしたセルが私たちを睨み付けてきた。


「さぁ、早くセルゲームを始めるぞ」


どうやらセルの中ではセルゲームはまだ始まっていなかったらしい。むしろ余興にもなっていなかったんじゃないかな。シュエたんびっくりしたよ。


「どいつからやるんだ?やはり孫悟空、お前からやるのか?」


やっぱりというかなんというか、セルはお父さんをご指名らしい。ボキボキと関節を鳴らしながら(めっちゃ怖い)リングに進むお父さんを追い抜かして、スタンッとリングに飛び乗った。出張りますともそれが何か。

そして心底やる気なさげに口を開くのだ。


「シュエたんいっちばーん」






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