「私、勘違いしてたみたい」

「何がだ」

「赤司も私たちと同じ人間なんだよね」


赤司征十郎という一人の男に私は大きな理想を描いていた。名家の御曹司で勉強も運動も何でも出来る。中学時代はバスケの強豪校帝光中学校の部長を努め、キセキの世代と謳われた。そしてこの洛山高校でも赤司の存在は絶対だった。いつも周りは赤司に圧倒される。なんというか、絶対的な有無を言わせぬオーラがとにかくすごい。これが負けを知らない男、赤司征十郎だ。


「君は何が言いたい?」


赤司は完璧だった。テストでもバスケでもミスひとつない。平凡な私から見ても赤司はどこか人よりずば抜けて優秀だった。だけど私は勘違いをしていた。赤司も同じ高校生なのだ。赤司も同じ人間なのだ。そんな彼もやはりただの高校生の男の子だったのだ。


「さっき階段の段差で転んだでしょ」

「…………」


誰にだってそんなことはある

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