「なぁ、何で今日怒ってたん?」
「だから怒ってないって」
いつもユウジと一緒に帰る。どうでもいい話をしながら、ユウジの隣を歩く。
「せやかて機嫌悪かったやん」
「担任がうるさかったからや」
そう言ったらユウジはそれ以上追求してこなかった。
「蕪城さんとどうやった?」
「は?」
「せやからお昼2人で食べたんやろ」
「おー!むっちゃ楽しかったわ!蕪城さんに俺のモノマネかなりウケんねん!」
「へー」
自分から聞いといてあれだけど、めちゃくちゃムカつく。蕪城さん、蕪城さんって。ベタぼれやないですか。惚れたもん負けや!とかほざいてたのどこのどいつよ。
「そないに好きならもう付き合っちゃえば」
何となく言った一言だった。ただ嬉しそうにユウジが離すからムカついて嫌味混じりに言った。そしたらアイツ馬鹿みたいに顔赤くして「無理!無理!」とか言って満更でもない顔をしていた。キモ。
「まだ早いっちゅーねん!仲ようなったばっかやし!」
「ふーん」
「なぁ、協力してや」
「は?私が?」
「他に誰がおるねん」
ユウジの言葉に周りを見渡してみたら、近くにおばあちゃんが歩いてたから「あの人?」って言ったら叩かれた。痛い。心も痛い…なんちって。
「何で私がアンタに協力せなあかんのよ」
「は?親友の恋くらい応援しろや」
「やだ」
「何でなん?」
「さぁ?何でやと思う?」
「………?」
しばらく考える様子を見せた後に頭の上にはてなを浮かべるユウジ。鈍い。私がアンタの好きだからに決まってんじゃん。馬鹿なの?死ぬの?
「とにかく私は知りません。勝手に頑張ってください。さようなら」
一方的にバイバイして私は家の中に入った。後から自分の言ったことに後悔する。私って可愛くない。