「大変や名前!」
「うわ、何?」
ベッドの上で雑誌を読んでいたら、勢いよく部屋のドアが開いてユウジが入ってきた。勝手に入ってくんなよ。とか言って私もユウジの家に勝手に上がり込むけど。てかユウジなんか嬉しそうな顔してるし。まあ話の内容なんて大体予想はつく。
「まあテキトーに座りなよ」
「お前、この汚い部屋のどこに座れ言うねん。てかパンツ落ちてんで」
ちょっとパンツ摘まむのやめてよ。それ履いてないし汚くないし。
「掃除くらいせぇや」
「アンタの部屋もね」
「んなことより、聞けや」
「あ?」
「蕪城さんのメアド手に入れたで!」
お前のおかげや!おおきに!って私の頭を撫でるユウジ。正直嬉しくない。確かにユウジと蕪城さんが話すきっかけを作ったのは私だ。でもそれはただの気まぐれ。ユウジが嬉しそうに笑うからだ。第一、蕪城さんみたいなタイプの子は「小春〜!浮気か死なすど!」ばっか言ってるホモを好きになることなんてないから、ユウジに少しでも夢を見させてあげてる私って女神に近い存在だと思うのよ。
「あ、お礼にコレやるわ」
「なにこれ」
「さっきお前ん家来る途中に拾ったエロ本」
「いらねー」
「何やねん人がやる言うてんのに。ほんまキモ死ねブス」
何でそこまで言われなあかんねんお前が死ね