ある二人三 | ナノ
彼女はポケットからカッターとハサミを取り出し、不良達に近づく。じりじりと。
「くっ・・・やっちまおうぜ!」
「そ、そうだそうだ!」
「女子供に負けていられっか!」
そう言ってナイフを三人が再び彼女に向ける。
「あのな、」
俺が止めようとして―――すぐに彼女に制され、そして彼女はカッターとハサミをしまった。なんだ・・・?
「警察だ!銃刀法違反で現行犯逮捕する!」
「げえっ!」
いつの間にか警官がすぐ近くにまで来ていた。
不良三人組はナイフで必死に抵抗したものの、さすが警官すぐに捕まえてしまった。
「怪我はありませんか!?」
心配そうな表情の警官が俺と彼女に聞く。
「俺は大したことないですけど、彼女の左腕が・・・・・・。」
「なに!すぐに手当てを――――――・・・ん?」
警官が彼女の顔を見て眉を顰めた。彼女は無表情だったが、なんとなく引きつってるような気もする。
「君はまさか指名手配の・・・、」
彼女は警官の台詞を聞いた途端に舌打ちして走っていった。指名手配、って・・・?
「あ、こら待ちなさい!」
「おいドコ行くんだよ、まだ名前聞いてねーぞ!?」
俺が叫んでも彼女は振り向かずに走っていく。
俺は彼女を追いかけた。なんとなく―――気になったから。
「おい君!まだ事件について訊きたいことが・・・。」
「スミマセンあとで署に行きます!」
曲がったのかもう姿は見えなかったが、それでも俺は彼女を追った。


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