強奪三。 | ナノ
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・紅蓮、“味噌”じゃなくて“水”掛け論だと思うが。・・・」
ウチが指摘すると紅蓮は予想以上に驚いて手をわたわたさせた。
「えっ?そうだっけ?」
紅蓮の反応が面白かったのか、谷在家が笑う。
「ははっ、紅蓮は全く・・・秋山じゃないんだから、くく・・・。」
「笑い事じゃないですよ・・・まあ、この辺にしときます。仕事して下さいよ。」
文字通り嵐、いや吹雪の男が去っていった。良い仕事をしたな、紅蓮。
「谷在家署長、叩かれたところは大丈夫ですか?」
「叩く、というより破壊する、といった表現の方が適切だと思うが・・・まあ、大丈夫だろう。おそらく・・・。」
「・・・瘤が出来ていますけど。漫画みたいなのが。」
「・・・通りで痛む訳だ。」
谷在家が渋い面をする。
「それは後で山崎に診て貰うとして、急ぎの書類(もの)なんで早く目を通して頂きたいのですが・・・。」
そう言って書類を谷在家に差し出す。
「ああ、悪いな。」
谷在家は書類を受け取ってじっと見る。 「・・・ん、良いぞ。これは斎藤に届けさせてくれ。」
書類を返され、しっかと手にする。
「はい、わかりました。」
確か斎藤さんは北棟にいる筈だ。
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