リンロイ三 | ナノ
「こんなところでなにしてるんだよ、仕事か?」
「・・・いや。知り合いにご飯の礼にと助けてもらったんだが、怪我をしてしまってね・・・。」
「飯?・・・そいつ、黒髪で喋りに訛りが入ってないか?」
鋼のが驚いたように言う。
「あ、ああそうだが・・・知り合いか?」
「知り合いもなにも・・・!リンは何処だ!?」
「今そこで手当てをしてもらっている。」
そう言ったかと思うと、目の前の扉が開き、リンが出てくる。
「リン!おまえ大丈夫なのか!?なにやってんだよ!」
彼は鋼のがいた事に驚いたらしく、目を丸くして鋼のを見ている。
「・・・なんでエドがいル?」
「こっちの方が聞きてえよ!誰にやられた?」
「ん〜・・・頭に×の傷がある褐色の肌の男と、オマケにシンの者らしき女の子ダ。」
「!傷の男か!?おま、オレとアルの2人がかりでも危なかった奴を・・・大佐、どういうことだ。」
「・・・・・・。」
これまでの経緯を話す。鋼のは溜め息を吐いて、納得したようにリンの肩を叩く。
「んで、リンはここに入院すんのな?」
「いやー金もないし、そんなにもたもたしてたらあの子に取られかねない。遠慮しておくヨ。」
「・・・そっか。まああんま無理はすんなよ。友達なんだろ?」
「ああ。ありがとウ。」
「・・・?」
リンと鋼のが仲の良い友達だということはわかったが・・・いや。
きっと彼にも誰かが待っているのだろう。
それを妨げるのは野暮、か・・・。
「大佐さン。」
リンがまた笑む。
よく笑うな、と思いつられて私もわらう。
「ありがとう。傷の男とやらを倒すことはできなかったガ・・・。」
そんな顔をしないでくれ。私は初めて相手の気持ちを知れたのだから。
「いや。すごく感謝している。君がいなければ―――どうなっていたかわからない。
なにかあれば鋼のを通して言ってくれ。
仮にも不法入国者だからな。捕まっては困る。」
「え?は、はははハ
・・・。」
「お大事に。一応治療費は渡しておくよ。」
小切手を切り、手の中にそっと入れる。
「え、でモ、「いいから。ありがとう。」
「・・・ああ、ありがとウ!」
彼はまた笑った。
ああ、そうか。
私は・・・。

―――こんな気持ちだろうか。
叶わぬ恋を想う女性の心は。




・・・グダグダだよ!リンはもっと強いと思う。
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