自殺部8 | ナノ
「・・・どうしたんだよ、目の下にクマができてるよ?」
日曜日。浅井の家。
浅井が半ば寝ていた俺に声をかけてくれた。
「・・・誰の所為だと思ってるんだ ・・・。」
「え?なんかしたっけ?」
浅井が予想以上に慌てふためくのでなんか悪いことした気分になる。
「いや・・・なんでもない。」
「じゃあアルカナ(格闘ゲーム)でもやろっか!」
「おう。」
俺はもち大剣使いだッ!
「いくぜええぇえッッ!!」
今、戦いの幕が上がった――――――・・・。



「・・・・・・納得いかん。」
「だって谷在家アルカナ持ってないし。」
「・・・くっそ、後少しでコンボ繋いで格ゲー王として君臨し辺り一帯を血の海と化すところだったのに・・・。」
「正義は勝つっていうよね!」
「やかましいっ、勝てば官軍という言葉もあるじゃないか!無理が通れば道理ひっこむとか!」
「負け犬の遠吠え。」
「人を指さすなっ!」
「本来の議題から外れているよ。人の揚げ足とるな、人の振りみて我が振り直せ、」
「・・・・・・。」
全く・・・こいつにはとてもじゃないが口では勝てない・・・ゲームで負け、口喧嘩でも負け。勝利の女神はいずこ・・・。
「まあそんなに落ち込まないでよ。スピードでもしよ、トランプあるから。」
「・・・次は絶対負けないからな!味噌汁顔で洗って待ってろ!」
「・・・みそ汁を顔で洗うなんて不可能じゃない?逆でしょ。」
「えーい似たようなもんじゃっ!」
それからトランプで遊んだり、人生ゲームで一万円を全部千円札に代えてウハウハしたり・・・楽しかった。ちなみにスピードは俺の圧勝さ!俺の人生メチャクチャだったけど!
「あっ、もうこんな時間・・・ちょっと一緒に外に出よう。」
浅井が少し焦ったように言う。
「ん?良いけど・・・何処に行くんだよ?」
「裏山。何度か行ったでしょ?何時もよりもうちょっと奥にね。」
「いいねえ山探検!行こう行こう!」
俺達は山へ向かった。
「ねえ、走って行こう!」
浅井が笑って言う。
「おう負けないぜっ!」
走って、走って。
冷たいけど風が心地良かった。


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