自殺部7 | ナノ
んーと飯も食ったし風呂にも入ったし・・・なんかすることあったかな?
辺りを見回す。
「・・・あっ。」
そういや薬を飲むの忘れてたわ。
やべえやべえ。
いくつかの錠剤を、手のひらに乗せる。白やピンクの小さな錠剤が、ちょこんと乗っている。
こんな小さな錠剤が、俺の心を紡いでいる。
精神安定剤とか、なんか長たらしい名前の薬とか。
「ずっとこうなのかな・・・。」
俺は今でもあの時を思い出す。夕方みたいに、夢も見る。
まだ、心の傷は治っていない。
家族を失くしたことも。
今独りぼっちということも。
俺があの男同様に仮にも・・・人を殺しかけたことも。
全てが俺の頭を心を掻き回す。
一回ぐらいならまあ大丈夫だが、二回も飲むのを忘れると精神的に不安定になるし手が震える。
だから、飲み忘れるとやばい。
俺は薬を口に全部放り込んで、水を口に含み、飲みこんだ。
「・・・口直しに滝澤さんからもらったゼリーでも食べるか。」
冷蔵庫からオレンジゼリーを取り出す。
因みに滝澤さんというのはあの時駆けつけてくれたらしい女の刑事さん。
まああの時の記憶は曖昧だけど、確かに女性はいた気がする。
今や友達となり、
「困った時は相談するんだぞ。まあ学校の話でも愚痴でも聞くのは結構楽しいからね。たまには聞かせろよ!」
とまで言ってくれて、二週間に一度くらいは遊びにも来てくれる。
そんな滝澤さんのことは大好きだ。ちょっと男友達っぽくて、でもやっぱり女の人で。俺の心の支えのひとつ。
姉貴にでもなってくれれば良いんだけどね・・・。
「来ないかな、滝澤さん。」
先週来たから、来週には来てくれるかもしれない。
「さて、寝るかあーっ!」
歯磨きをして、布団に潜り込む。
まだ春とはいえ、少し寒い。
・・・今度浅井に滝澤さん紹介しようかな?
あいつとは仲が良いはずだし、どうせなら両手に花、のごとく楽しくやりたい。
・・・まあ、俺だって健全な男なわけだ。楽しくやるってのはエロい意味じゃないぞ、一応。
「・・・ん?」
待てよ?一応浅井も女なわけだし、泊まりに来い、って、いうの、は・・・・・・。
「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやそれは無い絶対無いってッ!!」
布団のの中で身悶えながら首をブンブン振る。
も、もう考えない考えない、無心で寝よう・・・。
俺はぎゅっと目を瞑って寝ることに努めた。


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