声が三 | ナノ
「ど、どうするのマスター?」
「どうするったって、おまえ・・・。」
追いかけても、もう追い付かない。
なにが起こったのかよくわからなくて、動けなかった。あいつ足が速いから、多分もう・・・。
「あたしたちがお兄ちゃんに飛び蹴りしたのがいけなかったのかな・・・。」
「それともぼくがアイスを冷凍室からチルド室に移動させたことかな・・・。」
「私が昨日うっかりビール瓶で殴ったからかしら・・・。」
「ちっ・・・ネギアイスぶちこもうとしたのがバレたか・・・。」
「ミ、ミク!?」
「冗談ですよ。」
とても冗談とは・・・しかし皆KAITOに色々やってるんだな・・・可哀想というかなんというか・・・。
「・・・まあ、おやつの時間になれば帰ってくるんじゃないか?まだアイス残ってたろ。」
「・・・なら良いんだけどね・・・。」
MEIKOが不安そうに呟く。KAITOめ、こんな良い女を泣かせて(?)・・・随分罪作りなヤツだ。
帰ってきたらとっちめてやる。
そして、話を聞いてやる。



誰か、誰か。
俺を殺してくれませんか。
役立たずの俺を、壊してください。
保健所に行った
火葬場に行った
焼却炉に行った
・・・でも、断られた。
君はペットじゃないんだから
君は人間じゃないんだから
君は不燃だから・・・それにほとんどが人口的とはいえ人間と変わらないからねぇ・・・色々問題があるんだよ。
駄目駄目駄目。
こんな中途半端な上に役立たずな存在、いらない。
マスターは役立たずの俺を捨てる。
捨てられたくない。見放されたくない。
なら、自ら消えようかと思ったのに。
・・・飛び降り、は人に迷惑がかかるし、毒薬は買うお金が無いし・・・ナイフもない。
「・・・・・・。」
そうだ 首吊りにしよう
首吊りなら紐があれば・・・紐ぐらいなら落ちてそうだし。
紐、紐、紐・・・紐、紐、紐・・・・・・。

 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -