ただの二 | ナノ
・・・母さ、いやあの女だ。
「アンタなにしてんの?こっちは家の方角じゃないわよ。全く危ないったらありゃしない、こんな子に育てた覚えはないわよ。・・・ちょっと谷在家くん!アナタがこんな危ないことさせたの!?うちの子に悪い遊びを教えるの止めてくれない?本当になら近付かないで欲しいぐらいよそれから「母さんッ!」
「・・・お・か・あ・さ・までしょう?こんな子と付き合うからよ。どうせならお金持ちの北条さんとお友達になればいいのに・・・。」
「・・・お母様すぐに家へ向かい勉学に励みますその荷物もお持ちますだから谷在家くんを責めないでくださいお願い致します。ごめんなさい。」
感情を殺して淡々と言葉を紡ぐ。意識しなくとも、出てしまう。
もう、慣れてしまった。
身についた。
女は醜く笑うと俺に手荷物を渡した。
「ついでに食器と洗濯物洗ってくれるわよね?あなたは私の子供だもの。イイコよね。」
「ハイ、心得てます・・・。」
「じゃあ私はまだ買うものがあるから。遅くなるわよ。」
「ハイ分かりました。」
女はとっとと踵を返して買い物へ行く。どうせブランド店にでも行くんだろう。
価値などわかりはしないくせに。
「なあ洗い物終わったらさ、俺んち来いよ。」
「へ?」
「親が遅くなるんだったら少しぐらい遊んでも平気だろう?」
アキは笑って言った。気遣ってくれてんのかな・・・。
俺はなるべく明るく笑う。
「悪ィ、確か父さんの方が今日は早いからまたな!じゃ!」
「あっ・・・じゃあまた!」
俺は振り返らずに走った。
振り返ると絶対負けちまうから。誘惑に。
家、行くの嫌だな ・・・・・・。
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