コトネ2 | ナノ
もどかしかった。
いつまで経っても自分から動こうとしない二人が。
焦燥に似た、微かな苛立ち。
レッドさんの症状は、私が思っているより、ずっと酷いものなのかもしれない。
そう考えてしまったときから、二人のことが心配で仕方なくなった。
後輩に心配されるなんて、プライドが傷つくことなのかもしれないけど、それでも心配で仕方なかった。
「グリーンさん、私。勝手かもしれませんが、レッドさんのこと調べたんです。出来る限り。」
「色々な人に話を聞いて、そうしたらいつも、必ずグリーンさんの名前が出てくるんです。」
「ねぇ、グリーンさん。私は、詳しいことは知りません。」
「だから、私からは本来、なにも言えないんですが、それでも、ひとつだけ。」
グリーンさんは何も言わない。
お節介かもしれない。
私がどうこう言える立場ではないのかもしれない。
それでも私は。
「レッドさんを、助けてあげてください。」
そう言った瞬間、今までなんの動きも見せていなかったグリーンさんの瞳が揺らいで。
その瞳が、レッドさんのそれと重なって見えた。