看病一 | ナノ
「ん・・・。」
もう朝か・・・確か今日から巡察強化だったな、頑張らないと・・・。
雀だかなんだかのすすり泣き・・・じゃない、さえずりが聴こえる。
最初からさえずりって言っていれば爽やかだったのに・・・朝から鳥がすすり泣きって、怖いったらありゃしない。
ふと左を見やると・・・谷在家が寝ていた。珍しい。
何時も早起きなのに。しかも今日は谷在家が食事当番なのに・・・。
普段ならとっくに卵焼きを作っている筈だ。
疲れているのだろうか。最近は連続通り魔事件があったりして巡察強化をするほどなわけだし。
仕方がない、朝食はウチが作ろう。
ウチは厠に行き顔を洗ってから台所へと赴いた。
「ふっ・・・さぁてどう料理してくれようか・・・!」
腕組みをし、まさに我が魔王と言わんばかりに食材達を威圧する。
なんか・・・カッコ良いよな・・・☆
「えーと・・・白飯卵焼き昨日の肉じゃが納豆に味付け海苔にもやしの和えものワカメの味噌汁・・・これでいくか!」
適当に昨日の残りと合わせて朝食の献立を作り、調理にとりかかる。



「ふう、出来た・・・!」
二十分程経ったか。朝食はできた。が、谷在家はまだ起きてこない。
「おっかしいな・・・。」
流石にもうそろそろ起こさないと遅刻する。そういや殿様出勤って誰が作った言葉なんだ。
ウチは寝室に入り、ベッドで寝ている谷在家に近づいた。
「谷在家、そろそろ―――」
起きないと。そう言おうとして口を噤んだ。
「う・・・ぐ・・・っ。」
・・・魘されている。
今まで魘されたことなんて・・・否、ウチが気付いてないだけなのか?
なんにせよ苦しそうだし、もう起こさなければヤバい。
「やざい、」
「くそ・・・殺してやりたい・・・なんで・・・、」
「・・・!?」
殺してやりたい・・・?誰を?何故?
谷在家の声からは相当苦しんでいることがわかる。
・・・まさか谷在家からそんな台詞が出るとは思わなかった。
「・・・なんだ・・・。」
手が震える。なんでだ・・・。・・・・・・。
いや、とにかく起こさなきゃだよな!
「・・・・・・。」


熱があるんじゃ・・・。

起きろ!
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