甘一 | ナノ
・・・まさか・・・・・・お色気刑事、とか・・・?
雰囲気が似てるような・・・いやいやお色気刑事は女性じゃないか、そんなことがあるわけがない。
・・・そうだ、身分証明になるものでも持っていれば誰か解るかもしれない。
「ちょっと失礼。」
俺は掛け布団を静かに退け、・・・・・・。
「・・・いやいやいやいやまさか。」
服装がお色気刑事とまるっきり同じなのは偶然だろうか?
しかしお色気刑事と同じ服装など滅多にいないと思うが・・・。
「う、ん・・・・・・ここ、は・・・?」
中低音の男声が響く。
彼は目を醒ますと俺の方を見て当たり前のように俺の名前を呼んだ。
「あ、谷在家署長。・・・此処は医務室か・・・。」
「・・・・・・。」
「すみません。急に倒れて迷惑をかけて・・・今から仕事しますんで。」
「・・・・・・君は誰だ。」
彼は先程から数人しか知り得ていないことを話している。しかもお色気刑事のように。
一体・・・・・・。
「はっ?やですねウチですよ。お色気刑事です。・・・寝不足なんですか?ぼーっとして・・・休んだ方が良いのでは・・・。」
そういって彼は心配そうに俺を見上げる。しかし、その仕草がお色気刑事のようで、余計に俺を不安にさせる。
「・・・質問をするから答えろ。私の誕生日は?」
「なんですかいきなり・・・一月十五日でしょう。」
・・・正解。
「昨日の夕飯は?」
「えっと・・・玉子焼きとにわとりさんと蛸の唐揚げに豚汁、ひじきの煮物、肉じゃがと・・・デザートにアイスティラミスのフルーツ添え、ではありませんでしたっけ?」
・・・・・・正解。
「・・・零名君、ちょっとDNA鑑定してくれないか・・・。」


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