開発薬四 | ナノ
事情を説明し、落ち着いたところで話を始める。
「誰が適任かだが・・・皆はどう思う?」
「僕は署長ですね。」
「俺も署長しかいないと思う。」
「・・・拙者は署長が適任かと・・・。」
「僕も署長に一票。」
「おれも署長。」
「お、おおおまえら・・・!!」
ほぼ満場一致で何故か全員俺を指名する。これは・・・あれか、マルチ商法や新興宗教の集団催眠による洗脳か。
「だってお色気刑事は署長と同棲してるじゃありませんか。」
「署長なら任せられますよ、ええ。信じてますから。」
・・・零名君、浅井、二人とも何でそんなに笑顔なのかね・・・?何故か二人の笑顔が怖いのだが・・・。
「じゃあ決まったから早く行きましょう、ねっ♪」
「さあさあさあ!」
「うぉっ、ちょ、押すんじゃない、二人とも!」
「大変だよなあ署長。」
「同意。」
「楽しそうですけどね、二人は。」
紅蓮と余部と山崎がなま温かい眼差しで俺達を見る。
グイグイと零名君と浅井に無理矢理押されお色気刑事の寝てるベッドまで連れて行かれる。
「ハイハイ入った入った!多数決で決まったんだから異議なしで!」
「しかし少数意見にも耳を傾けるべき、」
「往生際が悪いですよ、それでよく署長が務まりますね?」
「うぐ、・・・・・・解ったよ・・・。」
俺は意を決し、深呼吸をしてからベッドのカーテンを開けて入る。
「お、お色気刑事、起きてるか―――」
俺はちら、とお色気刑事の顔を見た。・・・筈だった。
「・・・おい山崎、ベッド間違えてないか?」
俺はカーテンから出て山崎に確認をとる。
「へ?そんなわけないですよ。今日はまだ他に寝込む奴来てないですもん。」
山崎は別にからかってるわけでもなさそうだ。
「じゃあここで寝ている男は・・・?」
「男ォ?」
山崎が椅子から立ち上がり早足で此方へくる。
「いや・・・知らないですよ。大体こんな人見たことがないですよ。」
山崎が訝し気にまじまじと彼を見る。
「・・・皆は知ってるか?」
俺は皆に聞いたが、誰も知らなかった。
これは――――――・・・。

お色気刑事・・・?
誰だ・・・?
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