開発薬参 | ナノ
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「・・・特に異常は見られないですが・・・。」
「そうか・・・。精神的なもので無ければ良いが・・・・・・。」
ここは医務室。
今お色気刑事の検査が終わったところだ。しかし・・・お色気刑事が倒れた原因は不明のまま。
一体・・・。
「ちょ、ちょっと!お色気刑事が倒れたってホント!?」
勢いよくドアを開けて入ってきたのは零名君だった。
「静かにしてください、病人がいるんですから!」
山崎が注意をすると、零名は気まずそうに歩みを止めた。
「本当だ。先程報告書を出す時に倒れた。・・・原因は不明だ。あっちの左端のベッドで寝てるぞ。」
俺が教えると、零名君は益々顔を青ざめて慌てふためく。
「ど、どどどどうしよう!まさかあんなことになるなんて・・・!」
「!原因が解るのかね?教えてくれないか!?」
俺が問いかけると、零名君は目を合わせずに答えた。
「えっと・・・新井からあのコがお金と弁当忘れたから署で余っていたパンをくれて・・・でもその、おれの作ってきた弁当をあげたんです・・・・・・。」
そこで零名君は言いにくそうに口ごもった。
「それで。」
有無を言わさぬ口調で先を促すと、零名君は諦めたように息を吐いて言った。
「 ・・・その弁当の中には、ちょっとした試薬が入っていたんです・・・・・・。」
「なんのだ。」
俺が聞くと零名君は少し後ずさりながら言った。
「え、えと・・・媚薬・・・なんですけど・・・・・・。」
「はあ!?」
「なっ・・・!?」
わ、訳が解らない・・・。なんでそんなものを・・・?
山崎は口を開けてパクパクとしている。
「・・・その薬、どのぐらいで効き目がなくなるんだ?」
「・・・三日は、効くかな・・・。」
「三日!?」
三日・・・一日位なら良かったが・・・。
「・・・誰彼構わず惚れたりするのか。」
「いえ、刷り込み式に・・・倒れるのは予想外でしたけど・・・意識を失う時に最後に見た人か、目が覚めた時に一番最初に見た人に惚れるのではないかと・・・。
わ、私だって最初は自分で実験しようかと思ったんですけど・・・お色気刑事を見てたら・・・つい。」
「ついって・・・お前なぁ・・・!!」
「刷り込み式、ですか・・・署長試してみたらどうですか?」
「なっ!?」
山崎が真剣な顔でそんな・・・そんなことを言う。
「おれも署長がお似合いだと・・・。」
「ばっ、馬鹿言うな!」
ほれっ、惚れられるって・・・薬とはいえそんなこと・・・!!
「まあ、署長が嫌なら別にソラ君でも舎人でも凌平君でも良いんですけどね・・・なんなら私でも。薫くんはお菓子ばかり食べるので栄養面としてはどうかと思いますが。」
「秋山だったら面倒見は良さそうだけど、デリカシーってもんがないからね・・・黒輝は精神的に負担がかかるからやめた方が良いし・・・あとは浅井と赤井と余部さんぐらいね。」
・・・・・・。浅井か赤井か余部か・・・。
「どうかしましたか〜?難しい顔して☆」
「あ、いや、何でもない・・・。」
山崎がニヤニヤと笑いかけてくる。零名君は自分に非があるから自粛しているらしい。
しかし口元は笑ってるぞ!ううむ何か腹立だしくなってきた・・・。
「・・・ここで考えていても仕方がない。お色気刑事が目を覚ます前に決めなくては。零名君、候補三人を連れて来てくれ。」
「はい。」
数分後、三人が医務室に着き、対策を話し合うことになった・・・。

次頁へ
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -