ある二人十 | ナノ
「・・・・・・。」
・・・もう床に就いてから、2時間は経っている。
寝返りをうったりジャクソンカメレオンの数を数えたりトゥシューズプレイをしてみたりしたが、寝れなかった。
・・・なんか、どーも気になる。あいつのことが。
このままだとモヤモヤして寝れないかもしれない。
いつもなら2分54秒ぐらいで寝る俺が、2時間も手こずってるんだから。
「・・・やっぱ、ムリにでも連れてくっか・・・。」
このままでは俺の安眠が!あいつの未来が!
人からよく面倒見がいいだのおせっかい野郎だの言われてきた俺の魂(ソウル)が今出陣ッ!!

公園に着いた。
あいつの姿は見えない。
やっぱり、トイレの裏にいるのかな・・・?
・・・またハサミ突きつけられませんよーに・・・。
おそるおそるトイレの裏を見ると―――彼女は寝ていた。
横向きに、地面に思いっきり。
「風邪ひくっつーの・・・ていうか女の子が恥ずかしくないのかねぇ・・・。」
ふう、と苦笑混じりにため息を吐く。
「勝手に家に運ぼうとしたら半殺しにされちまいそーだからな。とりあえず悪いけど起こすか。・・・体相当冷たくなってるよな・・・。」
彼女に少しだけ触れてみたくなって。
ほっぺたを手で撫でる。
「・・・?」
てっきり冷たいと思ってた頬が、やけに温かい。
いや、熱いくらいだ。・・・彼女の呼吸が荒い。
「おい、熱があるんじゃ・・・。」
思わず少し大声になる。街灯が暗いのでよく見えないが、顔色もかなり悪そうだ。
「・・・・・・。」
仕方ない、こうなったらこのまま無運ぶしかない。
俺は彼女をおぶって、家に向かった。
おぶると彼女の顔が近くなった。
熱い体。
苦しそうな息づかい。
そして、寝言。
「ああ・・・なんでだ・・・げ、・・・兄ちゃ・・・逃げ・・・・・・う、あ・あ・・・・・、」
「・・・・・・・・・?」
一体彼女がなにをいってるのか、俺にはよく分からなかった。
ただ、分かったのは彼女は苦しんでるってことだけ。
「・・・大丈夫、大丈夫・・・。」
根拠はないけど。どうしてもなんか慰めたくなって。
俺が言えたのはそれだけだった。


次ページへ
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -