5


「こんにちは」
ガールは言った。
「こんにちは」
フィーキッキが応えた。
「もう風は吹くのね」
「そうだね」
ここは、いいところだといい。
ずっとずっと。

ガールはベンチに腰掛けて、小さなノートを開いた。
「どうしましょうか」
「うんと大きいのがいいな」
暫く思案して、ガールは小さくわらった。そして、金色の鍵のペンをノートに走らせた。




「“セカイ”?」
フィーキッキがたずねた。
「それって大きいの?」
「わかんないわ」
「ふーん」
それで、とにかく、ここはセカイになった。


おおーい…

「クロトンガリだ」
遠くでちんまりとクロトンガリが手を挙げた。
辺りは星畑になっていた。
「わあ」
フィーキッキが言った。
「いいところ!」
「そうね」
ガールはまた小さくわらった。










おわり



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