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「やあ」



クロトンガリが欄干からひらりと飛び降りた。
「あれを、みてごらんよ」




川の真ん中にクジラたちが集まっている。
小さなクジラたちが、ひとりの大きなクジラを叩いていた。

大きなクジラはぽろぽろ泣いた。

やがて、みんなが知らない言葉でささめく頃に、大きなクジラは大きくいることをやめた。
小さなクジラたちはぴょいとはねた。
橋の上まで飛沫は跳んだ。

「よかったね」
クロトンガリは嬉しくて仕方がないというように、くるっと回った。





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