1
「やあ」
クロトンガリが欄干からひらりと飛び降りた。
「あれを、みてごらんよ」
川の真ん中にクジラたちが集まっている。
小さなクジラたちが、ひとりの大きなクジラを叩いていた。
大きなクジラはぽろぽろ泣いた。
やがて、みんなが知らない言葉でささめく頃に、大きなクジラは大きくいることをやめた。
小さなクジラたちはぴょいとはねた。
橋の上まで飛沫は跳んだ。
「よかったね」
クロトンガリは嬉しくて仕方がないというように、くるっと回った。
- 1 -
[*] | [
+
]
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -