2013/08/31
無題
これはあれ、
支部で書いてるモブ森+笠森 モブvs笠の下書きな。

※森山先輩の恋人役のモブ先輩に「渡邊夕樹」と名付けてみた。
※あと、笠松以上の登場率の笠松の大学の先輩たちに、久永、友野、津江と命名


※笠松が出しにくい






先輩は、嫌に上手い。何が、と聞かれても困るが、人の扱いが、精神面から身体面にかけてすべて優れている、と言っていいだろう。ただし、好きになった相手には、そうもいかならしい。俺はうまいこと乗せられている気がしているが、先輩自身がそう言っていたのだから、きっとそうなのだろう。

先輩とカラオケに行って、お持ち帰りをされた日。当然俺は処女であって、そっちの経験なんてあるはずもなかった。でも別段痛くもなく、むしろ気持ちよすぎて俺は軽く三十分気を失ったらしい。起きた時先輩は俺の髪をなでていて、穏やかな表情が異常に恰好よかったことは今でもしっかり覚えている。どうしてあの時写メろうと思わなかったのか、今でも不思議だ。写メってたら絶対待ち受けにしてそのうえで鍵付きのフォルダに入れておく所だ。男性の目指すべき理想郷として。俺が起きたことに気づいた先輩は男を抱くのは初めてだ。と笑ったが、それが本当かどうかを確かめるすべは勿論ない。だけど、相当上手かった。たぶん。俺だって抱かれたのは初めてだ。あとナチュラルに先輩は童貞でないと言ってるんだな。うん。俺だって、童貞ではないけどな!残念でした!初めての後で、なんか違うって言われた俺!

で、突然こんなことを言って、何が言いたいかというと、今、先輩はとっても格好いい顔で、とっても残念なことを言っているものだから、困っているのだ。今は久々の部活の休憩時間で、笠松から逃亡してきてから三十分程度だった。先輩としては真剣だ。真剣な話だ。ほとんどトラウマの暴露、と言ってもいい状態なのだが。

事の発端はやはり他校の先輩方だった。

「モテる男は違うな!このヤロウ!女紹介しろよ!」
「断る。お前を紹介したら俺の株が落ちそうだ。」
「んだよ!ひでぇーぞ!相棒!」
「誰が相棒だ。誰が。」

そんな感じで話していて、そのあと、普通にその先輩はわめいていた。それに対して先輩が禁句を言い放った。それだけだったのだ。発端は。

「黙れ、童貞。」
「・・・うっせぇ!お前なんて、お前なんて!」
「そういえばさ、何時卒業したんだよ。ずっとそんな感じだよな。初めて会った時から。」
「なぁ。中学ん時からそうだったなー。」

そうして先輩の自称相棒の先輩がぐずりつつ俺に近寄ってきて、肩を組みながら懇願するように「お前は仲間だよな!?」と聞いてきたので、申し訳ないく思いつつ「違います。」と言ったのがことを大きくしたのだが。

「なんだよ!イケメンども!爆発しろ!」
「で、ちなみに森山くんはいつ卒業したの?」
「高校卒業してすぐですね。大学生入って最初に逆ナンしてくれた先輩がお相手してくれました。」

嘘はついていない。が、そのあと残念がられて捨てられた、なんてショッパイ真実も言わない。そして、なんか、先輩が怖くて見れない。

「ち、お前は高校バスケット界で有名な残念な男だから、仲間だと・・・!」
「残念でもイケメンはイケメンなんだよ、諦めなって。」
「クソ!俺のどこがいけないんだよ!」
「・・・んー、後頭部を形成するすべてかな?」
「ウワァァァァ!!」

自称相棒の先輩は、ほかの、穏やかな感じの雰囲気の先輩の発言にどんどん削られていっている。つーか、後頭部を形成するすべて、って、どういうことですか。顔悪い、頭悪い、理解力ない、禿、ってことですか?

「で、お前は?いい加減正直に話せよ。高校三年間隠し通してきたんだし。」

どうやら、穏やかそうな先輩は、中学から先輩と一緒だったらしい。そう聞かれて詰め寄られ、先輩は珍しくうろたえる。

「ほら、可愛い後輩も、気になってるみたいだよ?ね?森山くん?」
「え!?」
「気になるでしょ?」
「え、まぁ、はい。」
「聞いてみてよ。"センパイ教えてください。"ほら、言ってみて?」
「おい、津江!お前いい加減にしろよ!?」

俺は先輩が名前を呼んでいるところを初めて見た。他の先輩たち、個々の学校の先輩たちに対してでさえも、先輩は名前で呼ばない。前になんでか、って聞いたら、間違って覚えたらやばいから、だそうだ。じゃあなんで俺は呼ぶのかって聞いたら、好きな奴の名前を呼ぶのは、独占欲掻き立てられていい。って、黙れイケメンが。

「はい、夕ちゃんの負けー。自分から持ち掛けたゲームに負けるなんて、夕ちゃんらしくないねー。」
「・・・夕、ちゃん?」
「そー。俺たちね、ちょっとゲームしててね?」
「俺たちの名前を互いに呼び合わないって。読んじゃった人は、周りからあだ名で呼ばれるっていうゲーム。」
「先輩、この学校でもそうしてるんっすか?」
「え?俺らの内輪でだけど?」

津江と言われた先輩はしっ峻拒を疲れたかのような顔をして、それから、にんまりと笑って、俺の言葉を待った。

「だって、俺、先輩が名前呼んでるとこ見たことないっす。」
「由孝、し!」
「・・・し、って。」
「うわぁ、夕ちゃん可愛いー。」

先輩、俺の渡邊センパイは、真っ赤な顔で口元を抑えて、それでいて、津江先輩をにらんでいる。そんな顔、笠松以外にしている人、見たことない。第一、先輩は童貞じゃないし、女性慣れしてて、人の扱い上手いから、そんな弱い姿、見たことさえなかった。

「夕樹、が津江に負けてる。最高。」
「ひさひさもアウトー。」
「俺別に、呼ばれてもいいもんね!それより、夕樹、お前何時童貞卒試たんあよ!」

久永先輩、かんだ。そして、渡邊センパイが吹っ切れたように声を上げる。

「小6だよっ!悪いか!」
「え?は!?」
「近所の綺麗なお姉さんに食われたの!」
「なにそれうらやま」
「久永死ね。渡邊どうぞ続けて。」
「それから結構相手をさせられた!教育的指導って!俺それを信じる程度に子供だったんだよ!」
「・・・へぇ、よく女性恐怖症にならなかったな。」
「っは!なりかけたよ!最終的に、初カノとはやってないし。」
「それで?」
「それから近所のお姉さま方に飽きられることなく取り合いされるハーレム人生だったよ!」


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