2013/11/02
無題
引き抜かれる話続き下書き
俺たちがここにいたのは、何故なのか、正直なことを言えば知らない。俺たちは、この学校の、初等科の『5組』と言われる場所にいた。ココでは、定員は関係なく、人が転入してきたり、転校していったり、が、激しかった。もともと、このクラスには、人が一人しかいない、なんてこともあったくらいだ。
それは、ない学年さえある。他のクラスとは明らかに違ったカリキュラムを設定され、特別をゴリ押したように、優秀を輩出した。この学校は、そもそも、偏差値は高い。この学校である、というだけで、基本的には大学進学は有利だ。初等科でさえ、退学制度があるのだ。国公立にもかかわらず、に。

「5組、バスケット組、帰還しましたぁー。」

間が抜けた声で春日がひらひらと手を振る。すると、いつの間にか帰ってきていたらしい、ほかの『5組』のメンツが、俺たちを出迎えた。別に、5組のメンバーは、俺たちバスケ部だけ、だというわけではない。実際、もっと、ほかの部活のメンバーもいるわけで、俺たちは無駄に仲が良かったため、気が付いたらみんなでバスケをしていた感じだ。俺たちと仲良くしていて、違う部活を選んだ奴もいる。野球だっりサッカーだったり、うん。まぁ、俺たちを待ち構えていたクラスメイトが誰なのか、に関しては、クロスオーバー的なタグ付けが面倒なので割愛させていただくが、とっても楽しい時間を過ごした。つーか、授業は?

当たり前のように昼休み、5組のためにあると言われている各階の空き教室(3年スペースと言われている場所)に移動し、そこに、伊月たちもやってきて、大所帯。それを見越してか、ほかの5組メンは俺たちにスペースを譲ってくれていて、あ、うん、わり、と。

「みゃーじさん。そういえば、俺たち誰もスカウトしてきてませんけど、いいんですかね?」
「いいんだろ。お前、ぜってー仲間を一人、とか、選べねーだろ?」
「そうですね。しかも、基準を満たしてるかどうか、の判定にかけられるのも、耐えられません。」
「アイツらは、アイツらで、俺らが欠けても、アイツらのままで、居てくれればいいと、思わない?」

森山がカタン、と、椅子を鳴らしながら、こちらを見て、そういってウィンクをした。空々しい。お前だって、後1年、って、思ってただろ?大学からはどうせ、1か所に集められるのだから。

当たり前のように、俺たちは、大学受験をぼうT大に絞られる。それが、この学校の方針だ。そして、5組の条件。何故、俺たちが、一般の学校に混ぜられていたのか、というと、ほかの学校にいて、ここに呼ばれることの無かった生徒に、ここに来るだけの素質があるものがいないかを、自身の目で見て、確認し、漏れがあった場合に、一人だけ、こちら側へと引き込むためだ。それを俺たちは『スカウト』と呼んでいる。突然、開花したような人間が、近くに現れた時、それが、「ギフト」ではなければ、ここに。

虹村は早々に、灰崎をそうして、こちら側に連れてきた。だからこの仕事は、灰崎には課せられず、そして、虹村は、終えたものである。と言える。


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