Gift | ナノ

春服お嬢さん
※お嬢さんのイラストがあるよ


いらっしゃ、いま…せ、

…。

いえいえいえいえっ!そんなまさか、お客さまに対してそんな『帰ってくださいよ』オーラなんて出しておりません、しかも有名な王下七武海さまのご来店なんですから、これは諸手を広げてお出迎えするべきだったと後悔しております程でございますよはい!
ね!てんちょ!
…店長いねぇ!逃げたなあのハゲ!
いえなんでもありません本音がポロリ…。

いいいいぇ!すみめせ、すみません!はい、ご用件でございますよねっ!
あの、非常に申し上げにくいのですがここはレディースのお店でして七武海さまの様なダンディズムアダルティでハイブランドなメンズは無く…え?
あ、こんにちは、いらっしゃいませ。あらま、びしょ濡れ…。あぁ、こちらのお嬢さんの服でございますね。タオルをお持ちいたしますからそこにかけてお待ちください。

「お店探してくれて、ありがとうねクロコダイル…。」
「おれの恋人は随分と悠長に構えてくれているのでね…。」
「あはは…」
「おまけにお人好し過ぎるときた。いらねェ苦労ばかりしやがって。」
「…咄嗟に体が動いちゃって…」
「…。」
「クロコダイル…?」
「…礼だけは、いっておく。」
「はあい、どういたしまして。…ふふっ。」



「…まあ、悪くはねェ。」
「あ、その、ありがとぅ…。」
「帰るぞ。」
「ん。」

ありがとうございましたー。またのご来店をー。

ーーーってなことがこないだあったんだけどさ、なんでもウェイトレスがグラスひっくり返しちゃったんだって。そしてこうザバーっと女の子がびしょ濡れに…。
あんた、聞いてない?この辺だったらあんたんトコのレストランぐらいしかないし…。
…あんたかい!張本人!しかもぶっかけたの七武海の方なの…よく生きてたねあんたってば。
へぇー庇ったんだ、そのこ。七武海の代わりに濡れ鼠。
『クロコダイルが濡れなくてよかったよ』、ねー。へー優しい子じゃん。
うん?濡れた後が?
抱っこして、電光石火で退席…自分のコートでくるんで?早業で、ねぇ。
それでうちの店まで来たんだ…へぇー。意外。無愛想で物々しいオッサンだったから、もっとドライな関係かと思ってた。

代金代わりに指輪放り投げたの…黙って?え、めっちゃデッカいルビーだったの?わー…豪快ねー。

でもまぁ、そういう事はあの七武海サンにとってあのこは指輪より何倍も大切な宝物って事なんだろーね。


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