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『あのね…恭弥くん…』
「なに?」
『そんなに私に会いたかった?休日なのに 家に押しかけて来るくらい』
「………………。」
うん、普段の私なら 黙って少しだけ ほんの少しだけ 顔を赤くしている 恭弥くんを見たら、きゃー可愛い!!ってなってたよ?だけどさ…
『人ん家のドアをぶち壊してまで 会いたかったのかな…?できれば、壊す前に インターホンを押すという 手段をとって欲しかったよ…』
可愛い可愛い恭弥くんですが、さすがに玄関のドアを壊されても、可愛いねぇ〜!なんて言えるほど 私は、心が広くありません。
ってか、このままじゃ 私はドアが直るまで、このセキュリティもクソもない、どうぞ入ってくださ〜い、と言わんばかりの家で生活しないといけないんだよね?
『直して』
「風紀委員が直しに来る」
『あ…そう』
あんな、いかにもヤンキーですと主張している奴らが直しに来るのか…元に戻るかな…?でかでかと¨夜露死苦¨とか書かれたら どうしようか…。まぁ、そのときは そのときか…
『で?何しに来たの?』
「ちょっと出かけるよ」
『は?』
「早く準備しなよ」
人の睡眠を妨げた挙句、上から目線かよ!と思いつつも素直に準備してしまう私は、とことん恭弥くんに甘いと思う。
ま、可愛いんだから 仕方ないよね
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