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『恭弥くんから呼び出すなんて、転校してきた日以来だね?』


奈々がこの学校に転校してきて、結構時間が経った。

最初に出会ったあの日以来、僕から彼女を呼び出すことは なかったけど、彼女は ほぼ毎日 応接室に来ている。


「ねぇ、風紀委員に入りなよ」

『は?誰が?』

「今 この状況で、奈々以外の誰に言うの…?」


そうだけど…と随分と驚いた顔をしている奈々


『せっかく恭弥くんから誘ってもらったし、はい と言いたい気持ちは山々だけど…ごめんね』

「なんで?」

『だーって、風紀委員の人達って学ランじゃん?ってことは、女の私が入ると やっぱりセーラー服でしょ?』

「…まぁ、うん」

『セーラー服って上の丈短いから嫌だ〜、へそピ見えるし』


そう言って、チラリとブラウスを捲って見せてきたので、思わず目を逸らす…


「それ、校則違反だよ。それに それって見せる為にしてるんでしょ?」

『夏に水着を着たときに見えるのが可愛いんじゃん!』


別に水着姿を想像したわけじゃないけど、僕以外の人間が見ているのか…と思うと、いい気分はしない。


『まぁ…どうしても、入って欲しいって言うなら、明日の体育祭の棒倒しで、うちの組に勝ったら なってもいいよ?』

「へぇ…」


棒倒しか、確か奈々の組の総大将は、沢田綱吉だったはず。

あんなのに、僕が負けるわけがない。でも、それに勝てば 風紀委員になると言うのだから、断る理由もない。


「わかった、棒倒しだね」

『言っておくけど、沢田くんって 結構凄いんだよ?』

「負ける気がしないよ、それで奈々が風紀委員になるって言うなら」


僕がそう言えば、珍しく奈々が顔を赤くした。







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