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「オレっちハンバーグが食べたい!!」
『はぁ…はいはい』
というわけで、家にまで上がりこんだ挙句 夕食まで偉そうにリクエストしてきたガキ…
仕方なくハンバーグを作ってあげる私も私なんだけどね…
「なに、この赤ん坊」
『恭弥くん…最近家に帰ったことある?』
「ここが僕の家」
風紀委員の仕事がやっと終わったのか、大分外が暗くなってから 私の家にやって来た恭弥くん…あたかも自分の家かのように…いや、自分の家だと思っちゃってますね、この人…
『お守りさせられてるの』
「ふぅん」
「何だお前、奈々はオレっちの愛人なんだもんねーっ!」
「…………………………。」
少し離れたキッチンからでもわかる。
恭弥くん…相当キレてる…
「離せーっ!!」
『あ、ちょっ…恭弥くん?!』
「コレ、僕の」
『はぁっ?!』
私を指差してそう言った恭弥くんは、手に摘んでいた赤ん坊を そのまま外に放り投げた…
『さすがにこんな時間に赤ん坊一人で 外に居るのは…』
「なに?」
赤ん坊を拾いに行こうとしている私を、行ったら咬み殺すから。とでも言いだしそうな目で見ている恭弥くん…
これ以上 機嫌を損ねたら大変だ…
私は、急いで沢田くんに連絡を入れた。
数十分後、外から赤ん坊の泣き声が聞こえなくなったから、きっと沢田くんが迎えに来たのだろう。
もう保育係なんて御免だ!!
例え赤ん坊でも許せない
『ハンバーグあるからさぁ、機嫌直してよ』
「…………………。」
『ははぁん!嫉妬だな?かっわいーっ』
「……うるさいよ…///」
『きゃっ、私ったら愛されてるぅ〜っ』
→あとがき
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