1
しばらく刻くんと、フラフラしていたら 彼の携帯に電話が入り、何やら深刻な顔をした後、急いで どこかに行ってしまった。
『仕事…ですかね?』
一人になってしまったので、家に帰ろうと 足を進めていると、私の携帯も着信をしらせる。
『もしもし?』
〔あぁ…奈々さ、今どこにいんの?〕
『家に帰る途中ですわ』
〔なーんかヤバいことになってんだよねぇ…あたし達…〕
詳しく聞けば、元¨コード:01¨の人見という人物が 藤原総理の車を爆破させたらしい。
レイちゃんに 言われた場所に行くと、大神さんと おそらく人見さんという方が 派手な戦闘を繰り広げていた…
「先輩殿!!私は、¨コード:ブレイカー¨のやり方には 絶対に反対ですが、あなたのやり方には もっと賛同できませぬ!!あなたは、ただの人殺しだ!!」
ボロボロになる大神さんを 庇うように、桜ちゃんは 二人の間に割って入った。
「いいね、そのまっすぐにぶつかってくる所、昔の大神君によく似ているよ……もっとも大神君に君のような可愛げはなかったけど。誰よりもまっすぐで、バカ正直だったからなあ、あの頃の大神君は。君といれば大神君も昔のように戻れるかもね」
「せ…先輩殿…」
「でもね、邪魔をするなら 私は、女でも容赦はしないよ」
そう言って人見さんは、桜ちゃんを 思いっきり蹴飛ばす。
『なんてことを…』
「え…ちょ…奈々…?」
怒りで頭がおかしくなりそうだ。
私は、ゆっくりと 人見さんに近づく
「…そうだよ 吠えな、言いたいことがあるなら ぶつかっておいで、それとも…もうそんな心も失くしてしまったかい?だったら、誰にも気づかれず野垂れ死ぬんだね」
大神さんを始末しようと近づく人見さん、そこに突然マンホールが飛ばされる。
「そこまでだヨ、藤原総理は 助けさせてもらった…気は失ってるけどネ、あんたの目論見はハズレだよ 人見サン」
どうやら、総理は 刻くんによって 助けられたみたいだ。ただ、私には そんなこと どうでもいい。
この男、許せない…
.
[ 70/82 ]